
デザインで写真を使う時になんとなく配置するよりは、3分割法構図を使い理論的に構図を整えることで見た目の美しさを確保することができます。
また、同じ重要度の写真同士の被写体が複数枚あるときには大きさを揃えることで、一定の情報を読み手に伝えることができます。
この記事では3分割法構図と同じ重要度で複数枚を取り扱う被写体の大きさについて説明しています。
Contents
理論的にデザイン構図を考え3分割法構図で被写体の魅力を引き出そう!
メインを飾る表紙や冊子の見開きイメージなどに使用される写真は、その紙面のメインであったりイメージになります。
見た目の美しさやビジュアルが重視されます。論理的に構図を整えることで、写真の魅力を最大限まで引き出すことができます。
理論的に構図を整えるには、構図に関する詳しい知識がなくても、デザインレイアウトの基本的ルールに沿って当てはめるだけでも構図を整えることができます。それにより提供された写真や手元にある写真の魅力を引き出すことが可能です。
論理的に写真の構図を整えるには「3分割法構図」という方法がよく使われ見た目の美しさを表現できます。
被写体を写真や紙面の中心に配置することを「日の丸構図」と言います。日の丸構図に対して3分割法構図では、写真全体を均等に縦3分割、横3分割して、その線が交差する4つの点のどこかに注目させたい被写体を配置します。
3分割した線上に注目させたい被写体を配置すると、動きを感じつつ緊張感もあり、見た目にバランスのよい構図になります。
日の丸構図
下図は日の丸構図です。被写体を写真の中心に配置する構図です。

中心に被写体があると安定感はありますが、退屈な印象を与えてしまう場合もあります。
3分割法構図
下図は3分割法構図です。被写体が全体の中心から意図的にずれるため、動的なイメージが感じ取れます。

写真に動きがでることで、写真そのものにシナリオや連想性を感じられるようになります。
下図は水平線を3分割線上に配置してトリミングした例です。

水平線を3分割線上に置くことで安定感と海や空の感じがよく表現できています。
下図は花を3分割線の交差点上に配置してトリミングした例です。

花を3分割線の交差点上に置くことで動きが感じられストーリー性を感じます。
下図は猫を3分割線の交点上に配置してトリミングした例です。

猫を3分割線の交差点上に置くことで猫が寝ているけれども寝息をしているかのような動きを感じられます。
複数の写真を扱うとき構図を意識しながら写真の関係性を考慮するポイントとは!?
複数配置する写真要素が同じ重要度である場合、まずは内容に沿うように写真要素を配置します。そこから読み手に与えるイメージは、写真の被写体サイズや方向で変化します。
同じ重要度である場合、被写体の大きさを揃えることで安定感がでます。
デザインレイアウトでは、紙面に配置する要素を揃えることで見た目を美しく演出できます。揃えるということはそれだけ大切です。逆に揃っていないと手を抜いている、間違えているのではないかと読み手に思わせてしまいます。
デザインレイアウト基本ルールは写真の配置にも同様の効果があるのです。
同じ重要度の写真を複数枚配置する場合は、写真自体のサイズや配置位置をきちんと揃えることが大切です。
また被写体のサイズも揃えることも忘れないようにします。写真の被写体サイズが揃っていないと、読み手はそのサイズ違いに何からの意図がデザインを通じてあるのではないかと感じてします。本体伝えたい情報とは異なるイメージを想像させてしまいます。
写真の被写体サイズが揃っていない写真がある場合は、トリミング加工をしてそれぞれの写真の余白が同じくらいになるようにサイズ調整します。
写真の被写体サイズを揃えることで読み手の視線移動が一定になるため視認性も高まり見やすいデザインレイアウトになります。
揃えることに関する記事は下記を参考にしてください。
下図は重要度の異なる写真複数枚を使う場合です。

上図のように明確な差をつけてメリハリのあるデザインレイアウトにします。読み手は情報の違いを見て直ぐに判断できます。
下図は写真の重要度が同じ場合、写真のサイズや位置に加え、被写体のサイズもきちんと揃えます。

上図の左では被写体のサイズが違うため、情報の重要度にばらつきが発生しています。また、被写体の位置も揃っていないため、読み手はスムーズに情報を得ることが出来ません。これは見づらくなっている状態です。
重要度が同じ場合は、上図の右を見ると被写体のサイズや位置も揃っていることで美しく見やすいデザインレイアウトになっていることがわかります。
写真に写っている被写体の向きを意識した構図を考える!
配置する写真要素に方向があり「向き」がある、感じる場合は、デザインレイアウトをするうえで、どの向きで配置するかにより紙面のイメージが変わります。
参考例として下図のような対談記事ページをデザインレイアウトするときには、人物写真の向きを合わせると、お互い向き合って対談しているかのようなイメージになります。
デザインレイアウトの中で人物同士の関係性がよくわかります。反対にお互いが外を向く配置にすると人物の関係性は弱くなり関連性を感じられなくなります。

上図の左は人物写真が向き合うように配置され、そこに関係性が発生して対談しているかのようなイメージになります。
上図の右は人物写真が外側を向いているため、関係性が弱まります。読み手には人物を紹介しているかのように見えたりします。
人物写真をデザインレイアウトする際は、視線の方向を意識してデザインレイアウトするようにしてください。また1枚1枚の写真構図も揃えるとなお良いと思います。
時間の流れや対比を表現する場合、複数の写真を同じサイズで配置すると、写真同士の前後が強調され読み手にわかりやすくなります。この効果を利用すると時間の経過や対比を表現することが可能です。
下図の場合は構図が似ている写真を使用して、「対称性のあるレイアウト」を利用すると相乗効果によりメリハリのついたはっきりとしたデザインレイアウトになります。
対称性のあるレイアウト、シンメトリーに関する記事は下記を参考にしてください。
また複数の写真を同じサイズでデザインレイアウトすると、写真同士の関係性が強調されます。下図ではその効果を利用して時間経過を表現しています。

上図では、ペンキとサビに関する時間の流れを表現しています。写真サイズや被写体サイズ、構図が似ている写真を使用することが大切です。
デザインに使う写真の3分割法構図と被写体を揃えるまとめ
- 構図に関する詳しい知識がなくてもデザインレイアウト基本を参考にすると良い。
- 3分割法構図はシンプルでありながら効果的である。
- 重要度が同じ写真を複数枚扱う際は被写体のサイズを揃えると良い。
写真の構図は3分割法構図を使うことで誰でも効果的な写真を配置することが可能です。デザインレイアウト基本に沿う方法で制作していきましょう。
また重要度が同じ写真を取り扱う場合、写真のサイズと被写体サイズを揃えることで読み手に瞬時に情報を伝えることができます。
デザインレイアウトをマスターすることで写真の取り扱いは上手になります。実践で利用していきましょう。