紙面デザインは見た目のレイアウト基本をしっかり作ることがバランスの良い紙面作りになります。
ここではマージンや余白、レイアウトスペースの設計やグリッド思考でマス目をどのように組み合わせてデザインを行うのか書いています。特に新人や初心者にはグリッドを使ったデザインは早く習得できますのでお勧めです。
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紙面デザインの基本レイアウト設計を行い、バランスの良いマージンを設定しよう!
印刷デザインを行う上で、紙のサイズに対してどれくらい内側に情報を入れるように設定するかで読みやすさや表現の仕方は変わってきます。
余白を上手に使ってデザインをしていきましょう。まずレイアウトスペースと言う言葉をはじめて聞く方にレイアウトスペースがどのようなことなのか説明します。
レイアウトスペースとは文字情報や写真、画像類を配置する領域になります。それらに対してマージンや余白は空白領域になります。マージンや余白については、背景や見た目の効果的な要素は入れても構いません。
紙面のイメージは版面率でも変わってきます。版面率とはレイアウトスペースを紙のサイズに対してどれくらいの面積を使うのかと言う設定になります。デザインを行う上でこの版面率は大切な設定になってきます。
版面率が大きい場合は、レイアウトスペースが大きく取れる分、情報量が多く掲載できます。版面率が小さいとレイアウトスペースが小さくなりますので、情報量が少なくなると言う特長があります。
チラシデザインのほとんが版面率が大きい場合が多いです。その特長として商品情報が多いことが取り上げられます。版面率が小さいデザインの特長としてはイメージ感を出していくブランドの広告等が多いです。
マージンと版面率でレイアウトスペースの使い方は大きく変わってきますので、入れる情報によって考えていきましょう。マージンには印刷物を作る上でサイズに合わせて断裁する作業が入りますので、裁ち落としの部分も考えておきます。裁ち落とし(断裁)する付近に情報として必要な文字や画像類は配置しないようにしましょう。
例えば、A4サイズで良く私が使う設定としては、約10mm〜13mm位の余白を設定することが多いです。なぜこの設定が多いかと言いますと、チラシデザインを行う上で手にとってもらうことを考えチラシの端を持つためには最低10mm〜13mm程度は必要と感じているからです。
例として私が他のサイズで設定するマージンとして以下があります。
- ポスターや大判広告類
A0サイズ(841mm×1189mm)、B0サイズ(1030mm×1456mm
マージン:25mmから45mm
- 店頭や駅でよく見るポスターサイズ
A1サイズ(594mm×841mm)からA3サイズ(297mm×420mm)
B1サイズ(728mm×1030mm)からB3サイズ(364mm×515mm)
マージン:12mmから25mm
補足として、このマージンは1枚で完結する印刷物での設定になりますので、冊子など製本される印刷物では、左右のマージンはページ数によって異なります。
レイアウトスペースは、縦A4であれば少し細かめに、横8分割、縦12分割にすることが多いです。
1つのマス目が正方形になるくらいの感じがレイアウトしやすいです。その理由として縦のスペースと横のスペースを比較的自由に使える感じが内容を構成しやすいからです。私自身も使いやすいと感じています。
レイアウトスペースはデザイナーさんにより設定の仕方は様々です。もし紙面のレイアウト基本を自分で作ってみようと思うのであれば、バランスが良い正方形のレイアウトスペースで制作してみるといいでしょう。きっとデザインがやりやすいかと思います。
紙面レイアウトはグリッド思考でバランスとデザイン調整!
紙面のレイアウトを考える時にまっさらなデータからいきなりデザインを開始すると途中で入れなければならない情報が入らなくなることがあります。
これは、どこに何を入れると言うことを頭の中で考えてはいるけれど、実際まっさらなデータに感覚だけで入れていくと、どこかで余分なスペースを使っていることが原因です。
これを解消するのが、グリッド思考です。情報を何処に入れると言うのを制作に入る前に内容確認しておくことがポイントです。このグリッド思考はマス目に沿って制作していくと言う考え方です。マス目は前項目で解説した通りレイアウトスペース内に正方形に近い形で作成します。
レイアウトスペースに整然とならんだマス目ではレイアウトやデザインはパターンが少なくなるのではないかと思われますが、組み合わせについては色々なパターンがありレイアウトやデザインは豊富です。では、実際のレイアウト・デザインパターンを下図で見ていきましょう。
上図の例では4種類あります。例以外にも組み合わせは自由にできますので、レイアウトパターンは多いです。マス目が小さい程、組み合わせの数が多くなり表現できるパターンも多くなります。但しあまり細かくしすぎるとパターンが更に多くなりどのような組み合わせが良いか迷ってしまいますので、入る情報量によってマス目は適度に設定しましょう。
マージンにもデザイン要素を置いて表現しよう!
マージン部分には裁ち落とし(断裁部分)があるため、情報は配置しないほうが良いと説明しましたが、これは紙を断裁すると言う処理が入るため読み手にとって必要な情報が見切れてしまうからと言う理由です。
では、全ての紙面デザインがマージン部分になにも無いのかと言うとそうではありません。紙面のデザイン性を出していくには、マージン部分にもデザイン要素を配置して裁ち落としても問題ないレイアウトもあります。
上図例では、マージン部分に裁ち落としでも大丈夫な状態まで写真を入れています。レイアウトやデザインによっては効果的になります。
特にチラシデザインになるとマージン部分にも効果的に入れるデザインは多くあります。自分のまわりのチラシデザインも参考にしてみましょう。躍動感があるチラシデザインでは写真や画像類など効果的にマージン部分にも配置していることだと思います。何気なく手にとって見ているチラシも良く見て見ると1つ1つどのように効果を出していくか考えられたレイアウトになっていると思います。
自分が見て良い見本になると思うチラシはスクラップブックやノートに集めていきましょう。きっと良い見本帳になると思います。
紙面デザインのバランスはレイアウト基本のまとめ
- マージンや余白もデザイン要素のひとつ。
- 入れる情報量から版面率を考えレイアウトスペースの調整を行う。
- グリッド思考でマス目の組み合わせを考える。
マージンや余白の使い方次第では、見た目のデザインは大きく変わってきます。また、多くのデザイナーさんが取り入れているグリッド思考を取り入れるのもデザインを良くするための要素です。
自分が思うデザインを表現したいときに、いきなりまっさらなデータから行うよりもグリッドやレイアウトスペース、マージン、余白を設計することで早くデザインを行うことができます。
応用の使い方としては、レイアウトスペースとグリッドが準備できたところで一度プリントします。このプリント紙をベースとして手書きで構いませんので、どのような効果を入れていくのか下書きを行うとよりデザインを行いやすくなります。
紙面デザインをPCで行う関係上、基本レイアウトもPCで済ませがちですが、意外に手書きで下絵を描くことでデザインを創造することに意識が行きやすくなります。これは私のやり方や考え方ですが、プロのデザイナーになればなるほど設計や下書きはしっかりとされていることだと思いますので、自分なりのやり方や考え方を見つけていきましょう。