シンプルデザインは「反復・繰り返し」とダイナミックな「裁ち落とし配置」で重心を整えるのが決め手!

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商品掲載情報等は、反復・繰り返しを使いシンプルに表現すると見た目も綺麗になり、読み手にとって見やすくなります。裁ち落とし配置を使ったデザインではダイナミックになることでイメージ感が湧いてきます。

この「反復・繰り返し」と「裁ち落とし配置」を上手に活用し紙面全体の重心バランスを整えると魅力的な紙面が仕上がります。この記事では初心者やこれからデザイナーを目指す人にシンプルだからこそ押さえておきたいポイントを書いています。

既にデザインに従事されている方も本記事を読むことで改めて「反復・繰り返し」と「裁ち落とし配置」を認識できますので、デザイン制作へお役に立てれば幸いです。

デザインは反復・繰り返しのシンプルな技法で統一感を演出!

反復・繰り返しをシンプルに行う決め手とは?

反復・繰り返しは紙面に同じレイアウトのデザイングループが複数存在する時に使う、基本的なデザイン方法の1つです。

反復・繰り返しにより統一感が演出でき、読み手にとっても自然な流れで紙面から情報を読み取ることができます。「反復・繰り返し」とは、複数の写真や画像類、文字情報などをゲシュタルトの法則でグループ化し、同一のデザインルールとしてレイアウトをしていく技法です。

ゲシュタルトの法則とは「同じ形をしたものや近くにあるもの同士を1つのまとまりとして人は認識する。」というものですが、詳しくは以下を参照してみてください。

参照記事:「デザインはゲシュタルトの法則でグループ化が有効!綺麗な演出は「コントラスト」と「揃える」で決まる!」

複数のグループに同じデザインルールを使用することで、デザインの規則性が発生します。規則世がでてくると全体的にまとまりがあり統一感を感じます。

「反復・繰り返し」は比較的やりやすくシンプルですが、紙面の出来上がりを見ると整然と整い、「見やすい」、「読みやすい」といった効果が大きく表れます。特にカタログやチラシ等の商品が並び商品を紹介すると言った配列を行う場合、紙面内容に同じレベルの目的や役割が複数ある時にとても有効なデザイン手法です。

例えば、個別の商品情報がバラバラなレイアウトに配置されていると雑なイメージが伝わりますが、同じデザインルールでレイアウトを揃えるとまとまりがある統一された紙面デザインになります。シンプルがゆえにデザインルールが適用されると見た目は抜群です。

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上図では、1つ1つのデザインルールは悪くないかもしれませんが、並べてみると統一感がないため、読み手は情報を一目に理解できません。反復・繰り返しの効果を十分に発揮するには次の項目を見て見ましょう。

反復・繰り返しの十分な効果を得る方法とは!

反復・繰り返しの十分な効果を得られる要素としては数が多い場合です。

規則性があると説明しなくても人は並んでいると認識できます。数が2から3種類では少ないため認識しにくい場合があります。4種類以上が並んでいると規則性を出すための要素が多くなるので、読み手は自然と規則性を把握して情報を取得できます。

「反復・繰り返し」を活かす場合には、すべてにデザインルールを適用することがポイントです。紙面上の一部のみでは効果がなく、逆に見た目を悪くしてしまいます。反復・繰り返しを効果的に使うには、1グループを構成する形をデザインしなくてはいけません。この1グループを構成する具体的な要素は以下の通りです。

  • 写真・画像類のサイズ
  • 読みやすい文字サイズ
  • 読みやすさを意識した書体選択
  • グループやグループ内の区切り装飾
  • 文字や装飾の色決め
  • 写真・画像類、文字、装飾の配置
  • 1グループ内の写真・画像類、文字、装飾の余白を設定

上記のデザインルールから規則性が1つでも無くなるとデザイン性は下がり「ずれている」と感じてしまいます。規則性を崩してしまわないようにデザインルールに合わせられる部分は、全て合わせていくようにしましょう。

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上図は、1グループの写真の大きさやタイトルと文章の文字の強弱等のコントラストを調整したものを複製し2つ3つと商品を変えています。デザインルールが同一レベルになっているため見やすく、情報が分かりやすくなっています。

コントラストを活用し、反復・繰り返しで見た目を綺麗にできる!

「反復・繰り返し」を行うには1つ目のグループを作成します。そのグループ内には、タイトル、キャッチ、見出しの文字や写真の要素があり見やすくするために各要素のコントラスト(強弱をつける)を調整します。これをすることで「伝わる情報の1グループ」になります。

「反復・繰り返し」は、この「伝わる情報の1グループ」を繰り返し配置します。これにより同じ要素が適度な間隔でまとまり、一目に分かりやすい構成となります。読み手には「見やすく、読みやすい、理解しやすい」紙面になります。

人が紙面を手に取った時に同じ情報でも「反復・繰り返し」を使用するほうが、情報の伝わりが早いです。

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上図の左は、文字の強弱が少ないため見た目に弱く、瞬時に情報を理解することは難しいです。反面、上図の右では、同じ文字情報でもコントラストが明確になっています。文字の大きさを調整したことで見た目の強弱がつき見やすい紙面になります。

下図の左は、デザインとして悪いわけではありませんが、紙面上に入る情報として統一されたデザインルールではないため見にくいレイアウトになってしまっています。この場合、同じレベルのグループであるべき商品メニューに反復・繰り返しの規則性がないため、情報が一目で分かる状態となっていません。読み手にとっては情報が取得しづらくなっています。

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反面、上図の右では各メニューをデザインルールにしたがって、反復・繰り返しをいているため、デザインの規則性が生まれメニューを見たときに容易に把握できるようになります。

裁ち落とし配置でダイナミックな演出方法とは!

基本から外れる「裁ち落とし配置」で目立つ紙面を表現!

裁ち落とし配置とは、写真や画像類、文字の一部分などを紙面からはみ出すように配置します。紙面の空間の広がりや写真の被写体に合わせた効果的な表現をしたい場合に使う手法です。

「裁ち落とし配置」は写真や画像類の中で目立たせる情報部分へピントを合わせて全体をレイアウトします。デザインレイアウトでは印刷の裁ち落としの関係上、裁ち落とし付近への配置を行わないのが基本です。ですが、ダイナミックに演出したい、デザイン上裁ち落とし付近にも効果を入れたい場合は、基本から外れたレイアウトを行うこともあります。

版面内に全てを収めた場合に、紙面の余白が強調され内容が窮屈で狭い見た目になることがあります。そのような場合は裁ち落とし配置が効果的で、余白がある場合よりも広がりがある紙面をデザインできます。

また、被写体に合わせた裁ち落とし配置ができるとダイナミックな表現ができます。

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上図は左右とも裁ち落とし配置を行ったデザインです。裁ち落とし配置をするとイメージ感がより伝わります。

被写体を目立たせるのか空間イメージを活かしたいかでデザインは変わる!

写真や画像類は使い方次第でイメージはとても変わります。

例えば写真は、撮影を行う時点でカメラが撮影できる範囲内をすでにその空間から切り取られたものです。デザインの世界ではトリミングと言います。その写真を印刷デザインへ使用するには、さらに必要な部分をトリミングすることが多くなります

写真のレイアウトを考える際には、被写体を目立たせるのか空間イメージを活かしたいかで裁ち落とし配置を行うのかを判断しましょう。

裁ち落とし配置を行う場合は、写真を通してそのイメージ感を活かす場合に行います。一方、被写体を目立たせるのであれば版面内に配置する基本的な手法で配置する方が被写体を目立たせるという目的を成立させることができます。

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上図のデザインでは、左側に裁ち落とし配置を行い、右側で被写体を入れる作りをしています。このように配置すると左側の裁ち落とした写真によってイメージが膨らみます。右側では調理する人の自信にあふれる姿と商品のそれぞれの特長が伝わりやすく見えます。これは信頼感のあるデザインになっていると感じます。

被写体と空間イメージの表現にはどちらが正解でどちらが間違いということはありません。紙面に入れる情報と写真や画像類をどのように表現していきたいのかを先に決めておくことでデザインレイアウトが決まると言っても良いでしょう。

写真の持ち味を活かすとデザインは魅力的になる。

写真の持ち味を活かす裁ち落とし配置ができると、その効果はとても見た目を躍動的、魅力的、美的と言ったイメージ感が強く伝わるようになります。

裁ち落とし配置は、写真や画像類ならなんでもできるわけではなく、実際に配置すると「しっくりこない」、「そもそも合わない」、「なんとなく違和感がある」と感じる場合は、裁ち落とし配置に使用するべきではありません。そのまま使用すると紙面全体からはイメージ感よりも違和感しか伝わってこないからです。

裁ち落とし配置を行う際は、複数枚の写真を実際に配置して、合う、合わないを判断していくと良いでしょう。裁ち落とし配置は全ての四隅を裁ち落としにする必要はありません。デザインやレイアウトで上下のみや左右のみ、もしくは上下左右のいずれか1箇所でも使える配置技法です。

紙面デザインのバランスは重心が決め手。

紙面の重心と見た目のバランスは、入る情報のさまざまな要素を目で見て確認していく必要性があります。紙面へデザインや情報等の要素を配置する際には、見た目の重さを判断しなくてはいけません。

なんとなく目立たせたい情報の順番から入れていくと、紙面の上部だけが異常に重い、バランスが悪い等、紙面に安定感がない仕上がりとなってしまいます。紙面の「重さ」とは以下で判断していくと良いです。

  • 文字情報
    大きな文字が沢山あるのか、文章がたくさんあるのか、文字が太いのか。
  • 写真、画像類
    写真をたくさん配置しているのか、大きな写真を配置しているのか。
  • さまざまな色の要素
    文字や装飾、背景に入れている色が濃いのか、多色をつかっているのか。

文字情報は、太くしたり字間や行間を詰めることで見た目が濃く感じます。その関係上、見た目が重く感じます。反面、細くしたり、字間や行間を空けると見た目は軽く感じます。

写真、画像類では色が濃く紙面に対する配置領域が大きい場合に重く感じます。全体に使われる色は濃い部分が多いのであれば、重く感じます。逆に薄いと軽く感じます。

デザインレイアウトを配置する際は、この「重さ」が見た目を左右しますので、コンセプトに合わせて「意識した重心」を紙面の中で表現していきましょう。基本的な重心の考え方として以下のようなことがあります。

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上図の左は、写真や画像類が右上と左下に同一の大きさで入っており、濃度差が少ないため、重心は紙面の中央にきます。そのため、文字情報を他の白部分に入れても安定感がでます。

上図の真ん中は、写真や画像類が左右の中央にあり、下部の文字情報も左右の中央にあるため重心のバランスがとれ安定感がでています。

上図の右は、左下に濃度が薄い大きめの写真や画像類が入り、右上に濃度が濃い小さめの写真や画像類を入れているため、重心は紙面の中央にきます。そのため、白部分に文字情報が入ったとしても安定感がでます。

反復・繰り返しと裁ち落とし配置、重心のシンプルデザインとダイナミックデザインのまとめ

  • 反復・繰り返しの決め手は複数グループの配置方法にあり。
  • 裁ち落とし配置の演出は複数の写真から実際に配置して見る。
  • 被写体を目立たせるには基本的に版面の内側へ配置する。
  • 紙面の見た目の重さは濃度差が関係しておりコンセプトに合う濃さを選択する。

反復・繰り返しと裁ち落とし配置という技法はデザイン現場で多く使用します。そのため初心者やこれからデザイナーを目指す方はここでしっかりと理解していきましょう。シンプルなやり方だからこそ、基本を押さえておかないとデザインの仕上がりを悪くしかねません。

反復・繰り返しは、1つのグループを成立させその型を同一レベルの情報にも適用していくことで簡単にできるシンプルな技法です。裁ち落とし配置は、実際に使用したい写真を複数枚準備して服を試着するかのように配置して、「これだ!」という写真を選ぶとイメージ感がより増すことでしょう。

重心は簡単に言うと「文字や写真の塗り面積が紙面全体に対して、どこにどれ位あるのか」です。色が濃い、面積も広いとなれば重く感じます。色が薄い、面積が小さいと軽く感じます。

デザインをする上で、反復・繰り返しの技法は基本部分ですが、基本を習得すればデザインルールから外れたやり方でもできるようになります。基本あっての応用と考え、まずはシンプルな技法でデザインをしていきましょう。

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