新人でも出来るかっこいい封筒デザインのポイントとは!?

新人でも出来るかっこいい封筒デザインのポイントとは!?

封筒のかっこいいデザインは簡単だと思っていませんか?実は、デザインを封筒に印刷を行うにあたり印刷機械の都合などもありデザインの表現には制限が少しあります。

ここでは、一例として印刷現場での封筒印刷の仕様を書いています。封筒の基本形を制限のある中でデザインへと発展させるやり方を書いていますので、実際にチャレンジしていきましょう。

封筒の種類を把握してかっこいいデザインをしよう!

長形・角形・洋形?封筒の種類を把握しよう!

コンビニエンスストアやスーパー等でも販売している封筒ですが、購入するときに「長形4号」や「角形2号」と商品に書いています。

これは紙にもサイズがあるように封筒にもサイズがあります。

紙のサイズで言えば商品に「A4」と記載があればサイズは210mm×297mmと言うことです。封筒で商品に「長形4号」と記載があればサイズは90mm×205mmと言うことになります。サイズが色々ありますので、下図でサイズを見ましょう。

新人でも出来るかっこいい封筒デザインのポイントとは!?画像-1

※サイズが違うということがあればお問合せフォームよりご連絡ください。

封筒のサイズが色々あることに最初はビックリするかもしれないですね!封筒は郵送するイメージがあるかもしれませんが、実は病院や調剤薬局でお薬をもらう袋も封筒の一種です。

他にも封筒はカスタムでオリジナルサイズも作成可能です。ただし、カスタムサイズになると料金も高くなります。

印刷デザインで一般企業でよく使われる封筒のサイズは以下の通りです。

  • 長形4号(90×205mm)
  • 長形3号(120×235mm)
  • 角形3号(216×277mm)
  • 角形2号(240×332mm)

上記4種類が多く利用されますので、仕事のご依頼も多いです。なぜこの4種類が多いのかと言いますとビジネスで利用する書類のサイズは、B5サイズ(182mm×257mm)とA4サイズ(210mm×297mm)が主流です。書類を封筒に入れる際に以下のように利用するシーンが多いです。

  • 長形4号(90×205mm)は、B5サイズの横3つ折りが入る。
  • 長形3号(120×235mm)は、A4サイズの横3つ折りが入る。
  • 角形3号(216×277mm)は、B5サイズがそのまま入る。
  • 角形2号(240×332mm)は、A4サイズがそのまま入る。

自宅でも届く郵送物は上記4種類が多いのではないかと思います。ビジネスでは日々書類の発送が行われますので仕事では身近なサイズになります。

封筒は、まっさらな紙から作るの?

新人からある質問で、「封筒の形は、まっさらな紙から毎回作っているんですか?」と言う質問があります。これは、どのように印刷したいのかと言うことに左右されます。

一般企業が主に利用する封筒は、基本的に封筒自体を作るメーカーさんがあり、そこで各種封筒が作られています。その封筒を印刷会社が仕入れを行い制作したデザイン封筒を印刷する場合が多いです。

カスタムで作る場合は、デザイン性を重視したダイレクトメール等で、まっさらな紙に印刷してから封筒の形にする時もあります。どちらでも封筒は作ることができるのです。一般企業が主に利用する封筒は既製品へのデザイン印刷を行うことが多いです。

これは、封筒メーカーが一度に大量に封筒自体を制作するため、コスト的に低くなり好まれる種類になります。

印面マージンを考えて封筒デザインを!

封筒のサイズに対してサイズ全てが印面できるとは限りません。

デザイナー新人が封筒デザインを頑張って、かっこいい感じに制作しても印刷できない場合があります。封筒を印刷工場で印刷する場合には、封筒を印刷機械が通るときに封筒を送り込むための「くわえ」部分があります。このくわえ部分には基本印刷ができない場合がほとんどです。

封筒のデザインを行った上で最後に印刷できない状態になりますと再度、お客様への説明や多少のデザイン変更も行わなくてはなりません。封筒の印刷は封筒メーカーの既製品を使用する場合が多いですので、どうしても印刷機械を通すときに封筒のくわえ部分のマージンが必要になります。

このマージンは各印刷会社で所有している印刷機会の都合により異なりますので、印刷工場や印刷を外注しているのであれば、外注先にどれくらいのマージンが必要か確認をしてみましょう。

オンデマンド印刷(簡単に言うと高価なレーザープリンターのようなもの)でも印刷の仕様上、四隅が印刷できないこともあります。家庭用のインクジェットプリンタであれば、四辺縁なし印刷は身近だと思いますが、印刷工場では対応できないことがあることを念頭にいれておきましょう。

おおよそのマージンの取り方ですが、封筒を縦にしたとき(書類を入れる口が上)に一番下より7mm〜10mm程度は白の余白がでる可能性があります。印刷機械の通し方法で横向きができる場合があります。

横の場合は封筒を横にしたときに一番下より7mm〜10mm程度の白の余白がでる可能性も覚えておきましょう。

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上図では10mm程度の空きになります。例えば、縦長形3号(ながさん)を見た目を良く作る場合には、下から13mm程度の空きがあると見た感じが落ち着いた感じになります。文字の高さを変えると実際にどのように見えるかは、自分で試してみましょう。

封筒デザインでかっこいい作り方とは?

かっこよくするには両端揃えを意識すると見た目が良い。

ビジネスで利用される封筒は、見た目が綺麗に揃っていることが一番と考えます。

これは、封筒を受け取ったときに会社名、住所、電話番号等の情報がわかりやく、見やすいと言うことにつながります。

会社名、住所、電話番号等の長さによってどこを揃えるかを考えていきましょう。例えば住所と電話番号の長さが極端に違う場合は、電話番号とFAX番号は両端を揃えるといでしょう。

他にも住所と電話番号、FAXを2行で表記してこの2行は両端を揃えると見た目が綺麗になります。まずは、封筒デザインの元になる形を制作していきましょう。

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上図では、実際に揃える部分は揃えて見た感じになります。ビジュアルで見るとわかりやすいですね。きちんと揃えることでかっこよく見えます。

両端揃えを維持して、かっこいい封筒デザインへ!

封筒デザインをする上で、お客様のご予算も考慮しつつ制作します。

この場合、封筒に印刷出来る色数(色をどれ位使うか?)も1色もしくは2色も多いかと思います。全て黒や、ロゴは赤で文字は黒等の組み合わせもあるかと思います。もちろんフルカラーもご予算次第では受注もあります。

色数が絞られて制作を行う場合は、極力グラデーションの使用を控えてデザインをしていく方が良いと考えます。グラデーションを使用した場合は、印刷で思ったほど綺麗に印刷がでないときもありますので注意が必要です。

色数や効果的なことにも制限があってどのようにデザインしたら良いのですか?と思われるかもしれません。ソフトウェアでの効果を入れて作ることがデザインではありません。オブジェクトの組み合わせや線の入れ方等で、工夫をしていくことでデザインへと変化していきます。

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線を使用してデザインしていくとシャープな感じでかっこよくなります。曲線を使うとやわらかいイメージなりますので、自分で実際に試してみましょう。

白抜きも使いつつ、かっこいい封筒デザインへ!

単色(1色)のデザインでも工夫次第でかっこいいデザインへ変化できます。

白抜きもその要素の一つでベタ塗りに対して白文字を載せる(紙質が見えるようにする)ことでインパクトをつけたり、スタイリッシュな感じにすることができます。

白抜きの使い方としては文字情報を全て白抜きで表現してしまうと見た目が重たくなり見方によっては威圧的な感じを受けてしまいます。見た目に良い感じにして行くには部分的に白抜きを使っていくことがデザインのポイントです。

白抜きは比較的簡単なデザイン手法になりますが、多く使用するとデザインとは言い難い作りになりますので、なんでも白抜きは禁物です。

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白抜きを使うとしっかりした見た目になります。ただし白抜きの面積が大きくなれば大きくなるほど見た目が重い感じになります。白抜きのやりすぎには注意しましょう。

オンリーワンを目指して1社1社にコンセプトを!

これからデザイナーを目指す、新人もオンリーワンのこころを!

封筒デザインの仕事は印刷デザインの中で言えば小さな仕事かもしれません。

ですが、日々ビジネスで使われることを考えれば、人の目にたくさん触れることになりますので、より良いものを作らなければその企業のイメージを壊しかねません。封筒デザインでも1点1点を自分なりにこだわってデザインをしていきましょう。

お客様より「デザインいいね!」と言われるように自分で努力することが必要です。オンリーワンを目指して努力するには、実際のデザイン現場でたくさんの企業のデザイン制作に携わることが一番ですが、最初は実務経験も少なくやり方もわからないかもしれません。

その時は、自分が所属する会社で制作してきた印刷デザインを参考にしてみましょう。実際印刷に使われたデータですから、学べる実績デザインとして見られる良い機会となります。実績データを元に自分で効果を入れてみて、デザインサンプルを諸先輩方や上司に見てもらうことで、いろいろアドヴァイスがいただけると思います。

自分なりの基本テンプレートを作ろう!

かっこいい封筒デザインを行うにあたり、デザインを考える時間も必要です。

封筒デザインをするにあたり事前に準備しておきたいものとして、データで封筒のサイズを準備しておきましょう。

サイズの一覧は冒頭の図一覧にありますが、たくさん種類がありますので「一般企業でよく使われるサイズ」長形3号120×235mm、長形4号90×205mm、角形2号240×332mm、角形3号216×277mmの4種類を準備しておきましょう。

サイズの準備ができましたら、架空で構いませんので、一通りの基本形を作って行きましょう。この準備をしておくとデザインを行う時に、素早く情報を入れてデザインをする時間を少しでも多く確保することができます。

以下は、私が日頃使用している空のテンプレートデータを準備しました。基本テンプレートを作成する参考データになればと思います。

ダウンロードはこちらより「envelope_sample

データ収録内容は、以下の通りです。

  • 封筒テンプレート横型
    横角0、横角1、横角2、横角3、横角8、横長3、横長4、横長40、横洋長3、横洋長4
  • 封筒テンプレート縦型
    縦角0、縦角1、縦角2、縦角3、縦角8、縦長3、縦長4、縦長40、縦洋長4
  • データ形式
    IllustratorCS4形式、PDFデータ

自分でデザインストックコレクションを作ろう!

デザインを行う上で過去のデザインは、貴重な自分のデザイン財産です。

実際に使用したデザインと残念ながら未使用になったデザインも一緒にコレクションしていきましょう。コレクションの仕方は、人それぞれだと思いますが私は以下の様な方法で管理しています。

  • デザインデータは会社の規則通りに収納する。
  • デザインデータを開き、保存場所をデザインデータ内の右下に打ち込みをする。
  • デザインデータを簡易でプレビューできるように解像度150dpiのJPEGデータを生成する。
  • 簡易プレビューのJPEGデータの名称は「会社名+品名+制作年月日」をファイル名称にする。
  • 簡易プレビューフォルダを作りその中に年ごとにフォルダを作成し簡易プレビューのJPEGデータを入れる。

上記の項目を実施することで、1つ1つの簡易プレビューを都度生成して管理して、いつでも参考にできるようにしています。

JPEG画像になっていることで、PCのプレビュー機能で閲覧できます。ソフトウェアやフリーソフトウェアでのプレビュー機能を使うとより便利になります。

その他、安全が確保されたクラウドストレージで画像のプレビュー機能があるサービスであれば、PC及びスマートデバイスを使用して社内でも社外でも打ち合わせ現場で、実績デザインデータを元にお客様と打ち合わせすることもできます。

簡易プレビューの生成は、面倒かもしれませんがデザイン参考データベースと考えれば、労力は苦にならないと思います。デザインストックコレクションを作って行くと、かっこいいデザインやかわいいデザイン等もそのうち仕分けしていきたくなると思います。

その時は、簡易プレビューのコピーをしてジャンル別で整理するのもいいかと思います。簡易プレビューを管理するための年ごとのフォルダですが、実はこれには意味があります。

年ごとのフォルダで管理することで、自分の成長具合を改めて確認できます。自分でデザインのスタイルを追加したり、自分でよくない作りは見直したりできますので、自分のスキルアップの役目もあります。ぜひ、デザインストックコレクションを自分で管理していきましょう。

デザイン新人でも、かっこいい封筒デザイン制作のまとめ

  • 封筒デザインをするにはサイズをある程度把握する。
  • 基本形よりデザインへ少しずつ発展させて、自分なりのデザインにする。
  • テンプレートを利用してデザインをする時間を少しでも多く確保する。

封筒デザインは、仕事の中でも比較的小さな仕事かもしれませんが、限られたスペースと印刷条件の中でデザインしていくことは、頭の中でこれはデザインとしていいかもしれない、使わない方がよいかもしれない等、色々と考えます。

この考える力が自分のスキルを向上させ、新たなデザインを自分の中で発見できます。自分で発見できた時のうれしさやモチベーションアップは気持ちが良いです。自分なりのデザインを目指してサクセスしましょう!

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