これからデザイナーを目指す方や、今新人の方へ今回は名刺の基本形とそれを少し応用してデザインへ発展させていくやり方や考え方を書いています。
名刺の形に正解!と言うものはありませんが、ある程度のセオリーもあります。細かな調整が綺麗なデザインへとなりますので、細かい事をすることがデザイナーと考えより良いものを作れるように以下を参照ください。
名刺には縦型と横型デザインがある
基本サイズを覚えて空間をうまく使う
ビジネスでは必須とも言える名刺ですが、基本のサイズがあります。
- 縦型はW55mm×H91mm
- 横型はW91mm×H55mm
※この記事で取り上げている例を元にして名刺を作る場合、デザイン上何か不都合がある、こういった場合はどうすればよいか、などあれば、お問い合わせフォームよりご連絡ください。
上記サイズを名刺デザインの基本として覚えておくと良いと思います。他にもサイズは色々とあります。例えば名刺2枚分の大きさもあります。この場合は折った時に、名刺1枚分のサイズになるようになっています。
まずは、基本のサイズでどのように内容を入れていくと良いのか説明します。
- 所属が何処であるか「社名」
- 本人の名前と所属する組織の役職はなにか「名前+役職名+肩書き等」
- お問合せいただく際の連絡先はどこか「住所・電話・メール」
上記が基本入る内容になります。ビジネスで名刺を受け取る人の目でどのように見ていくか意識すると「横型は上から下へ」「縦型は右から左へ」目線を通していきます。
次に名刺は、直接お会いして基本両手で差し出しお互いに片手で受け渡しを行います。ここで、デザイン名刺を作る上での重要なポイントとして、手に持ったときに端に親指が来るはずです。
この部分に自分の所在を明らかにする文字内容が、極力隠れてしまわないように注意することが必要です。隠れてしまうと、名乗りながらも指で見えなくなってしまう名刺になってしまいます。紙のサイズより5mmほど内側が限界と考えましょう。
具体的な数字で表すと横型での印刷面はW81mm×H45mmで、縦型はW45mm×H81mmになります。
目線を意識し見やすい情報配置で流れを作ろう!
名刺で見やすい流れは人の目で見たときに自然に目を動かしたくなるようなことを指します。
横型で説明します。横型での基本は左上に「社名やロゴ」中央やや右に「名前や役職や肩書き」右下に「住所・電話・メール等の連絡先情報」を入れていきます。
縦型では右上に「社名やロゴ」中央やや下に「名前や役職や肩書き」左下に「住所・電話・メール等の連絡先情報」を入れていきます。
横型は左上から右下へ流れるように作る、縦型は右上から左下へ流れるように作ることを基本と考えます。
なぜ、この形を基本とするのかと言いますと文章を読むときの動作と同じになるようにするためです。横書では左から右へ、縦書きでは右から左へと目を通していきます。
並びをこのようにすることで見た目の違和感をなくすと名刺を受け取る方も自然に名刺の情報を見ることが可能になります。
各文字の大きさの目安は?
新人の方より「文字の大きさはどれくらいが適切なのでしょうか?」と言う質問を受けます。
これは、デザインによって変更するため一概にこの大きさと言うものはありません。また、書体も書体のシリーズやメーカーによってサイズが違うため何ポイントの大きさと言う正解はないのが実情です。
ここでは横型で「楷書体」を例に説明致します。社名は15〜20ポイント、役職名は7〜9ポイント、名前は15〜20ポイント、連絡先は5〜7ポイントくらいで文字量やロゴとのバランスで調整していきましょう。
文字のバランス調整で見た目のデザインは変化!?
名前は人によって字数はバラバラどうやって調整するの?
人の名前は、姓名で合わせて4文字もあれば3文字や5文字等あります。
ここでの基本ベースは次のように考えます。1文字入れたらスペースを入れて次の1文字を入れるようにします。4文字ベースの方であれば、空白を含めて7文字分を基本と考えます。詳しくは、下図をご覧ください。
人名の字数は他にもありますが、基本として7文字分で割り当てます。
例えば4文字の場合はバランスはそのままでも良いかと思いますが、3文字や5文字の場合はスペースの取り方次第でデザインの見た目はとても変わります。
基本の入れ方のみでしてしまうとただ当てはめた感じなり、間延びした感じや狭い感じになってしまいます。半角分ほど前後に詰めることで解消できます。これは横型でも縦型でも同じような考え方です。詳しくは、下図をご覧ください。
役職名も長さがそれぞれ。時と場合に合わせて2行にする!?
役職名もデザイン新人であればどのように入れて良いか悩むところです。
実際これと言った正解はありませんが、セオリー的要素があります。昔ながらの考えで言えば、代表取締役や取締役は名刺を手渡すのに大きいと威張っているようなイメージがある為、同じ会社の役職の方よりは少し小さめに入れたりすることもありました。
現在でもそのように言われる企業様もありますので、ヒアリングで意向をしっかりと聞きましょう。
例えば「代表取締役社長」この場合は一行で入れても良いですし「代表取締役」で改行「社長」でも大丈夫です。
私はどちらか言うと文字を少し小さくして2行で入れるスタイルが格好がよいと感じます。肩書きがある場合は、横型の場合は名前の上に入れて、縦型の場合は名前の右側に入れると良いでしょう。
数字や記号、英文字はバランス調整でビジネスチックにデザイン
住所や電話番号、メールアドレス、ウェブサイトURLでは英数字に記号が入ります。書体によっては日本語の平仮名、片仮名、漢字よりも少し小さかったり、大きかったりすることもあります。
また、電話番号を区切って分かりやすく表示するためにハイフンを入れたりします。このハイフンの長さを調節したり高さの調節をしたり細かい調整をすることで可読性を出すと共に見た目のデザインが良くなります。詳しくは、下図をご覧ください。
シンプルに名刺デザインをするポイントは!?
基本を押さえて細かい調整をしっかり行う!
ビジネスで使用する名刺は、見た目に文字の並びが綺麗になっていることが良いデザインの基本だと思っています。
私も仕事で名刺交換を行うのですが、いろいろな名刺を見てきました。その中で、少し残念な名刺もあります。
形こそ名刺の感じになっていますが、文字の入れ方がただ入れてあるだけの細かい調整が行われていない名刺もあります。日本語や英数字記号のサイズや文字の高さがあっていない状態でガタガタになっているのでは読みにくいです。
紙のサイズが名刺よりも大きなA4サイズで文章として打ち込んである文字であれば気にならないですが、小さな紙のサイズに文字を入れる場合には、繊細さが大切です。伝統工芸品や工業用品でも物が小さくなれば繊細さが求められることと似ているのではないでしょうか。
せっかく作る名刺です、綺麗なデザインの名刺を作成することを意識しましょう。
ビジネスで利用することを考えて多色利用を控える!
ビジネスで使用するデザイン名刺は、受取手にとって内容が直ぐに分かるようなデザインが良いと思います。
中には色々と手が込んだ名刺もあります。この場合はスタイリストの方などで自分の腕次第で指名を獲得していくような職種であり、それぞれの個性を出していく必要がありますので作り込むことも多いです。
一般的な企業が使用する名刺としては、組織としてみな同じ形を使用しますので企業イメージをシンプルにどのように引き出すかと言うことを考えましょう。
シンプルデザインからもっと自分流に!
デザイン名刺はウェブサイトでもテンプレートや見本がたくさんあります。
でも、それは既存デザインでどこかできっとそのデザインは利用されていることだと思います。それが悪いわけではありません。それで納得するのであれば、それで問題ありません。
せっかく自分で名刺のデザインをビジネスとして取り組むのです。1点ごとのオリジナルを目指してデザインをやってみたいと思いませんか?小さなサイズの印刷デザインですが、作り出すと奥が深くデザイナーさんそれぞれの特長が出るのも名刺デザインです。
これからデザイナーを目指す方や新人の方もチャレンジしやすいお仕事です。お客様にご提案する場合は、基本形とデザイン系で2点を提案していけるようにすることで、お客様の好みを少し読み取る機会にもなり次の仕事へのデザインの系統を考えることができます。
今回のシンプルデザイン名刺(ビジネス用)のまとめ
- 名刺を見るときの目線を考えて配置を考える。
- 細かい調整を行う事で、見た目を綺麗に整える。
- ビジネス利用を考えてシンプルデザインで制作する。
名刺のデザインは世の中に色々なデザインがあります。
ここでは、企業向けのデザイン名刺としてビジネス利用を想定したシンプルデザインで説明しています。ここに書いていることだけが全てではありません。まだ、私の知らない良い見せ方や考え方もデザイナーの数だけあると思います。
最初からデザイン名刺にチャレンジしても良いですが、できれば自分なりの基本形を1つ持っておくとそれからデザインへと少しずつ発展していくことができると思います。